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August 31, 2012

妖精達と過ごした夏

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今日で8月も終わり。

8月の初めに出現した劇場も今はその一部を残して消えてしまった。今年は庭のトレリスだけ、プレゼントの様に残っている

月明りに照らされた庭を見渡すと、まだ妖精たちの笑い声が聞こえてくるような気がする

今年の夏はいつもと少し違った。

7人の子供たちの参加で、俄然賑やかになった。

稽古場は子供たちの笑い声で溢れていた。

何処からあんなパワーが出てくるんだろう。

休み時間になると若い役者たちと駆けまわっていた。

髪を汗でぐっしょり濡らし、頬を赤くして。

つられて私も笑う、小櫃ダンサーズも笑顔になる

後半、庭に稽古場を移してからも、笑い声や笑顔が溢れている

子供たちの笑い声からどれだけたくさんの妖精が生まれたことだろう

みんなの笑顔からこぼれ落ちた妖精がどれだけいただろう

そんな妖精たちが月明りの中でくすくす笑いながら踊っている

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蜘蛛の巣の精の衣装

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蜘蛛の精の衣装

蜘蛛の精を演じたりん君は、スパイーダーマンが大好きで、蜘蛛になると聞いて大喜びだったらしい。

自ら「スパーイダーマンキッズ」と称して御満悦だった。お母さんは頼んだ以上の衣裳を作ってくれた。きっと親子二人三脚で蜘蛛の精を楽しんでくれたに違いない。

私は蜘蛛の巣の精の役だったので、この夏はずっとりん君と一緒だった。出番のない時も蜘蛛は蜘蛛の巣の膝におさまって、ずっとお喋りしていた。

本当じゃないけれど、家族だねって、蜘蛛一家だよって言ってくれた

どっちがえらいのって聞くから

「そりゃ、蜘蛛でしょ!蜘蛛親分よろしく頼みます」っていうと嬉しそうに笑った。

舞台の上でも蜘蛛を抱っこして走ってた

舞台袖(丸太小屋の裏)の待ち時間、蜘蛛の抜け殻を見つけて大興奮したり、夜空に浮かんだ月をふたりで眺めていたりした。

「照明が消えちゃっても、月が明るく照らしてくれるね」なんて素敵な事を蜘蛛のリン君が言ってたなあ

そんなリン君が終演後泣いている。

衣裳と別れるのが辛いと言って泣いていた。

お母さんが一生懸命作ってくれて、大のお気に入りだったからね。

それまで、本当は衣裳あげててしまおうかと迷っていたのだけれど、リン君をみて決めた。「あげない」

泣いているリン君を抱き上げて、昼間ふたりで見た蜘蛛の抜け殻の話をした。大きくなるために脱いだ殻を捨てて行くんだよって。いつまでも脱いだ殻にこだわってると前に進めなくなるよって。大きくなって戻って来てねって。それまで蜘蛛の巣が預かっておくからって。

リン君はこっくり頷いて泣きやんだ

「オイ蜘蛛、蜘蛛の巣との別れは辛くないのかい」(笑)

とにかく子供達は素晴らしかった

舞台裏で衣裳を着て静かに並んで座っている様子は

まさに妖精そのものだった

一番年長のカナコちゃんがみんなの面倒をみている姿は、マリア様のような女神様のような、観音様のような、やさしさしに溢れていて、ハッとするほど美しい光景だった。

稽古中も背中にあたたいかものが触れたので振り返ると、子供の妖精さんがニコッと笑ってたり、隣にくっついて座ってきたり、なんだか幸せいっぱい貰って嬉しかった

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猛暑の中、ダンスの最終確認

今年もたくさんの方に支えられて、22回目の公演を無事やり遂げることができました。

新しい出会いもあり

このメンバーで過ごせるのはたった一度きり。

かかわってくれた皆さん、作る側、観に来て下さった方、近所の方、裏で支えてくれたすべての方

ありがとうございました。

残暑は続くけれど、私の夏は終わりました。

追伸

この物語を、相当苦しんで生み出してくれた原作者の森さん、脚本の大畑さん、この大切な友人ふたりに

SPECIAL THANKS!!

byケイコ

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August 20, 2012

星空劇場開演間近

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野外の演劇活動を初めて22年目の夏

小学1年生だった息子は農業に従事する決意をして家に戻ってきて、慣れない仕事に汗を流している。

私はといえば、30代の頃は稽古で夜が明けてしまっても、なんとか踏ん張れる体力があったのに、50代になった今は、そんな無理はできなくなった。

22年あっと言う間に過ぎたようで、子供が大人になっちゃうくらいの年月なんだとしみじみ思うこのごろだ

近所の子供たちに気軽にお芝居を楽しんで貰いたいと始めた活動は、大人の方には参加費という形で支援していただいているが、チケットを売るわけでもなく、予約をとるわけでもない。

蓋を開けてみなければわからない、綱渡りな興業?だ

始めた当初はお客さん来てくれるのかと心配し、10年くらい経つと、来てくれた方がみんな入りきれるか嬉しい心配をするまでになった。

9年間一夜限りの上演だったが10年をきっかけに二晩になった。

それから、今まで、大したトラブルもなく毎年幕をあげることができたのは

まさに奇跡

沢山の人達の理解と協力がなかったら、この22年はなかった

毎年夏は感謝の夏

自分ひとりだけじゃ成し得ないことも

みんなの力を得て

夢が叶う夏

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「ニャニが始まるんニャー?」

今年のお話は遂にここがそのまま舞台

原作を書いてくれた仲間が、せっかくだから庭の話にしようと言ってくれて、ちょこっとお芝居用にアーチや何やらを作ってグレードアップ

22年間、みんなの涙、笑い声、悲喜こもごもを見守って受け入れて来てくれた庭も喜んでくれているかなあ。

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公民館での稽古風景

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今年は子供達が参加してくれているから賑やかで楽しい。みんなで劇中歌の稽古

さて、毎年繰り返される、短い間の集中稽古。

ドキドキするなあ

私雑用が多くて、ダンスの稽古遅れてるから頑張らなくっちゃ

みなさーん、ちょこっと夕涼みがてら来てくださいね

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byケイコ

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August 13, 2012

暑いのは苦手

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今年は夏野菜順調で、

茄子、ピーマン、ゴーヤ、トマト、カボチャ、オクラ、モロヘイヤ等が、とっかえひっかえ、煮たり焼いたり蒸したり揚げたり、姿かたちを変えて食卓に登場

ここ数年不出来だった枝豆も美味しかった

今日はじっとしていても汗がジト~っと、暑い日になりました

今回稽古の間が盆休みもあり1週間空いたので、台本読まなくちゃと思っていましたが、舞台装置の仕上げや、庭が舞台なので鉢ものづくりや、なんやかんやで、たっぷりな昼寝タイム(笑)を除いて飛ぶように過ぎて行ってしまいます

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朝は元気な松葉ボタンも昼にはぐったりって感じです

ついでに私もぐったりです

byケイコ

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August 06, 2012

劇場出現

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みんなの汗の結晶。

魔法の庭に劇場が出現。

魔法も楽じゃないね。

炎天下汗と蚊の猛攻撃に耐えて、

みんなの思いが一つになる日。

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何回かこの活動に参加してくれて、今は故郷に帰った子も、駆け付けてくれて、共に汗を流します。そうやって支えてくれる人、それはもうたくさんの人達の思いがあってこそ、22年の間魔法はかかり続けているのです。

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この日はそれぞれの持ち場で一斉作業

みんなのためにご飯を作ってくれる賄い班も大活躍。

美味しいご飯で元気モリモリ。

今年は暗くなる前に作業が終わりほっとひと息

今日からまた、本番に向けての稽古が始まります

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今年は可愛い仲間も加わってダンスの稽古

キッズミュージカル館山 TRUE COLORZのメンバーの子供たちです

パワフルな子供たちに元気貰って小櫃ダンサーズも張り切る

踊っている時のみんなの顔が大好き!真剣でキラキラしている。

この活動を続けてきて良かったなと思える一瞬です。

今年は振付もTRUE COLORZの主宰者の遠藤俊彦さんが担当、奥様の遠藤園さんも役者として参加して下さることになり、22年目にして新しい風が吹いているウィッシュボンです。

乞うご期待

byケイコ

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August 04, 2012

宝物がいっぱい

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今朝、アップルミントを摘んでアイスミントティで休憩中です。

昨日は夕方まで仕事をして、急いでシャワーで汗を流し、ススムとふたり東京行きのバスに乗りました。

待っているのは学生時代の友人達。

バスで行く私達に気を使ってくれて、東京駅周辺の居酒屋でミニミニミニミニ同窓会。

広島から仕事で上京した友人を囲んで盛り上がりました。群馬から先輩も駆けつけてくれて、久しぶりに会うのに、心は一気に 生田校舎で過ごした時代に飛びます。

長靴はいて、白衣来て、時々家畜研の山羊に追いかけられたり、リヤカーで馬糞を運んだり、授業さぼって神宮球場に野球観に行っちゃったり、楽しかったなあ。

一緒に泣いたり笑ったり、海で溺れそうになった仲間です。っていうか溺れたのは私だけか(笑)

いい時代、いい仲間です。

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そして今日から、夏のお芝居に向けての2回目の合宿稽古が始まります。

今はひっそりとみんなの笑顔を待っている「魔法の庭」

嫁いだ先でも素晴らしい仲間に出会えた私

明日は皆で客席と舞台作りに汗を流します

これまで出会った人達

それは人生の中で大切な宝物

昨夜、日付が変わって家に戻ると、ラニとサヴァのお帰り~攻撃!なんて幸せな。

宝物がいっぱいだわ

byケイコ

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August 02, 2012

「わが町」 というお芝居

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ブログの更新も怠りがち。

お久しぶりです。暑い夏を今年も仲間と熱く過ごしています。

8月25日、26日の本番に向けて、稽古も始まっています。

稽古より一足早く、スタッフさんは衣裳や小道具の製作を着々とこなしてくれています。

夕べも不携帯で外出してしまった私の帰りを待って、小道具さんがやってきて、妖精の羽の確認と製作。遅くまで頭が下がります。

ありがとう。

沢山の人に支えられて今日があります。

ささやかな日常の繰り返しにきらりと光る夏休み。

そんな特別な日々も、毎日繰り返される一見平凡と思われる日常があってこそ、成り立っています。

そんなことを更に強く再確認させてくれるようなお芝居を観てきました。

Artist Company 響人の「わが町」

「グローヴァーズ・コーナーズ」という町のおよそ100年くらい前のありふれた日常。

そこに暮らす人々の「生活」が描かれます

冒頭、舞台監督と呼ぶ登場人物が町の風景を説明してくれます。二つの家族の裏庭に育つ植物の名前をあげると、もうそこに立ってその植物達を眺めて微笑んでいる自分がいました。

「そして、ここには大きなクルミの木が立っています」舞台監督はそっとその木肌を触れる仕草をするのです。

其処ですでに、私の眼頭が熱くなってしまう。其処に自分の日常が見えてきたのです。

草花や木々に元気を貰い、小さな生き物を見つけては驚いたり微笑んだり、畑の恵みに感謝して、台所に立つ幸せ。

些細なことにに泣いたり怒ったり、笑ったり。

夜には暗い部屋に射し込んで来る月の光の美しさに感動し、夜空を見上げる。私の日常

ストロベリークリームソーダを飲む若い二人の場面は、ノーマンロックウェルの絵を観ているようだったな。

椅子とテーブルと木の脚立くらいのシンプルな舞台の両脇にはオルガンとドラムの生演奏

とりたてて凄い事件が起きるわけではない、淡々とした人の営み。

観終わった後には、その日眠りにつく床の中まで、胸の中に優しい灯がともっていました。

帰りには実家によって母が元気でいることを確かめ、念願の虎屋の宇治金時レギュラーサイズをぺろりとたいらげ、

すっかり暗くなった空にはまあるいお月さまが煌々と照り、なんと!!みなと未来の夜空に花火が~!!

浴衣を着た女の子が随分いるなあと思ったら、そういうことかと、バスの中から夜空を彩る大輪の光の花々を堪能し、なんて幸せな一日だったんだろうとしみじみと思いながら帰路についたのでした。

ちなみに今回出演されていた方達は、5月に農家体験ということで、アイガモを放す田圃に網の囲いをつくるお手伝いをしに来てくれました。とても助かりましたよ。ありがとうございます。

みんなが飛び跳ねている写真はその時のもの。

カモ達も無事に勤めを終えて、その網の囲いもちょうど彼らの公演中に撤去しました。

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オレンジミントの花

合宿稽古の合間になんとかこの舞台を観に行けて本当に良かった。

日々の些細なこの日常があらためて愛おしく思われました

皆さんお疲れ様でした

さて、次は星空劇場だわ

『カーペディエム』~ベニーの初恋~

byケイコ

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