8月15日
蒸し暑い日でした。
お盆は芝居の稽古がないので、必ず母のところに帰ります。
母が待っていてくれるから。
そして、母が作ってくれるご飯を一緒に食べます。
父が逝って16年が経ちました。台所に立つ母の背中が小さくなりました。腰を曲げて、流しに肘をついて。
母が子供だった頃の話を聞きました。
65年前の8月15日。母も放送を聞きました。
「嬉しかった」と。「あ~やっと戦争がおわるんだ」と思ったそうです。
でもそれからが大変だったとも。生きるためには食べなくてはならないから。
帰路、アクアラインを通過する高速バスの車窓から木更津の花火が見えました。毎年バスの中から見ているような気がします。
多くの夢が尊い命とともに散っていったのです。
今晩の空気は湿って重たい。実家の近くでも百日紅が咲き、蝉が大音量で鳴いていました。
今日は8月15日なのです。
毎年夏に続けてきた芝居。こんな夢を追い続けて来られたことも奇跡のようです。
私達は小さな足もとの幸せににもっと気がつかないと。もっときちんと抱きしめてやらなければ。
そして、二度と戦争は起こすまいと誓わなければ。
窓の外で、虫が鳴いています。静かな夜です。
byケイコ
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Comments
たった60年余前のことなのに、その上に、さしあたっての問題がうず高く積まれ、忘れ去られていく。
テレビ番組を見ていろいろな事を知ると、胸が痛くなります。
忙しいケイコさん、身体を壊さないようにね。
Posted by: MONA | August 17, 2010 12:39 PM
>MONAさん
忘れ去られていく。本当に。私も戦後に生まれたわけですから。何も知りません。でもまだ戦後20年くらいまでは、敗戦の匂いが濃く残っていたように思います。
母からもっと話を聞いておかなくてはなあ。
好きな事をして自分を忙しくさせている訳ですから、頑張りますね。ありがとうございます
Posted by: ケイコ | August 17, 2010 06:42 PM